抑圧の歪み
【抑圧の歪み】
未成年者への性的虐待を問題視するニュースが後を立たない。
日本カトリック協議会が行なった実態調査で、16件の訴えがあったと発表した。
期間は、1950〜2010年の15年間。平均すると1年に1名の割合だ。
だが、これは報告があったものの数値であり、氷山の一角であることは間違えがない。
カトリック教会は、性的な規制が強い。
押さえる力が強いほど、器の中は抑圧され膨張する。
無理に歪められた欲望は、形を変え、弱いものへと向けられるのだ。
人には「個」がある。
その欲にも「個性」があるのが自然であろう。
しかし、個人の資質を無視しかねないほどの強制力を持って、貞操を守ることが“良し”とされる環境下で、そこに、その人がどんな資質を持った個人であるかは重きを置かれることは少ない。
私たちは、神に似せて創られたと言われている。
もし、神の御意志を受け継ぐのであれば、それは姿形ではなく、人々を愛し大切にする想いと、相対する人の尊厳を守る気持ちではないかと思うのだ。
「抑圧」は、本来の人が持つ造形を、違ったものに変貌させる。
神が創り出した、完璧な「美」と言われる私たち人間が、どう生きるかが問われる。
天国に戻った時に、神様に胸を張って会えるような人でありたいと思う。
2020年4月3日(fry)
An impression and the short essay which read Okinawa Times