おすそ分け文化と空の旅

【おすそ分け文化と空の旅】

沖縄県のあるイタリア料理店が「子供応援チケット」の取り組みを始めた。

１５歳以下のお子さんが無料でピザを食べられる。

イタリア・ナポリのカフェでは、自分のコーヒー代にプラスして見知らぬ誰かのために「もう一杯」分の料金を支払う、おすそ分けの習慣がある。

保留コーヒーと呼ばれ、日本でもスターバックスコーヒーを中心に広がりを見せている活動だ。

イタリア料理店では、応援チケットを購入した方が店舗の掲示板に掲示する。

それを来店したお子さんが、お店の方に渡すとピザを無料で食せるという仕組みだ。

仕事の激減などで生活が厳しいご家庭には、事前に連絡すると大人の方にもピザのサービスをしていただけるようである。

ご自身のお店も、売上の減少があるのではないかと思う。その中で、ご自身のできるサポートの手を大きく広げ、誰かを受け入れる活動をされていることに胸が熱くなった。

コロナウィルスの感染拡大で、経済的にも心にも傷を負っている人をケアしようと力をあわせる素晴らしい方もいらっしゃる一方で、しばらくぶりに沖縄で感染者が出た。

休校中に家族や親戚とスペイン旅行に行っていた１０代の女生徒だ。

その記事を目にした時に感染した彼女のことを心から気の毒に思った。

感染により、体に負担があったことももちろんなのだが、皆が自粛に心を配り、これ以上の拡大がないように願っている中、海外旅行に行こうと計画してしまう大人たちに囲まれて育っているその環境を非常に気の毒に思ったのだ。

自分だけは大丈夫という安直な考えは、飲酒運転のそれにも似ている。

 自分の楽しみを優先し、他者の立場を思いやることのできない親御さんに育てられた女生徒の未来が不安である。

空を超えるのは、身勝手な自己満足ではなく、愛ある文化だけであってほしいと思うのだ。

お子さんは、置かれた環境によって、良くも悪くも、いかようにでも育つ。

子育て世代の親御様には、是非とも、未来ある若者の人生を、愛と思いやりのある方向に導く存在であってほしいと願う。

2020/3/22（sun）

An impression and the short essay that I read Ryukyu newspaper

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