沖縄交通事情

【沖縄交通事情】

 その日、私は本土に帰る飛行機に乗るために沖縄那覇空港を目指していた。

沖縄在住で実家が本土にある。

前回、帰京した際、空港併設の公共パーキングに停めた駐車料金が万単位になったため、今回はバスとモノレールを乗り継いで空港までの道を辿ろうと企てたのだ。

事前にバス会社に問い合わせをして空港方面のバスを確認したにもかかわらず、バスに乗り込む際、運転手さんにお聞きすると逆方向だという。出鼻から沖縄の「テーゲー」の洗礼を受けて泣きたくなった。

飛行機に間に合わないかもと、うろたえる私に、運転手さんが気の毒そうに苦笑いしながら途中で乗り換えて目指す方法を教えてくれた。

刻々と迫る飛行機のフライト時間に緊張して汗がじんわりと体を這う中、バスから飛び降りると、モノレール乗り場へ猛ダッシュした。改札ですかさず交通系ICカードのSuica（スイカ）を取り出したものの … 使えない！慌てて小銭を取り出し、もつれる指先で切符を購入して、どうにかモノレールにキャリーケースと体をねじ込ませた。

2020年３月10日から沖縄のゆいレールでSuicaの利用が開始されたとの記事に目がとまり、観光立県沖縄で、まさかSuicaを使えないなんて！と、とても驚いたあの日のことを思い出した。

記事にも沖縄のバスやモノレールで使える「OKIKA（オキカ）」開始の３年後にスイカ導入が検討された記事が出てくることをあげて、それなら初めから採用すればよかったのではと思いたくなると記者の言葉があった。

全くもって同感である。

もっと早くにSuicaを導入していてくれたら、あの日あの時の私はあんなに慌てず、スマートに？ゆいレールへ乗車できていたはず…。

新しいことを取り入れるのが苦手な傾向にある沖縄においても、素敵なところだからこそ、また訪れたくなるような工夫を、そして住まう人たちにも快適な場所であってくれたら嬉しく思う。

2020/3/13(fri) An impression and the short essay which read Okinawa Times

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