モノの価値とジブンの価値

【モノの価値とジブンの価値】

昨今、手軽な価格の服が簡単に手に入る時代となった。

ショッピングモールに足を運ぶと、量産されたプラスチック繊維の服が、所せましと並んでいる。

気軽に流行のアイテムを着用できるので、相変わらずの人気ぶりだが、簡単に手に入るようになった分だけ、その「モノ」に対する愛着は薄くなったように思う。

ある時から、私は市販の服を買うのをやめた。

天然素材を使って作品作りをしているデザイナーさんにオーダーをして作っていただいたモノを大切に着回すことにしたのだ。

焼却した時に、有害なガスなどが出ない天然素材で作られた服は、肌にも地球にも優しいからである。

毎日でも着たくなるような、優しい服を身につけるようになってから不思議なことが起きた。

服を大切に選び、愛着を持って着用しているうちに、自分のことを大切に思い、

気づけば少しコンプレックスのあった自分の個性に愛着を感じるようになっていたのだ。

どうやらモノへの在り方は、ヒトへの在り方に通ずるらしい。

愛媛県で天然素材を使った洋服を作っているデザイナーの方が紙面で「来年着られなくなる洋服」を作ることは「ごみづくり」だと語っていた。

インスタントな服と長い時間を過ごすことで、自分の個性までゴミ箱に捨ててしまわぬよう、大切に付き合っていけるモノとの出逢いを大切にしていきたいと思う今日この頃である。

2020/1/21(wed)

　An impression and the short essay which read Okinawa Times

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