環境配慮という名の削減
【環境配慮という名の削減】
外食大手のグループ会社が系列店150店舗の24時間営業を4月までに廃止するという発表をした。
理由は「従業員の働き方改革の一環」である。
さらには、24時間営業を段階的に廃止するにとどまらず、560店舗の深夜営業終了時間を繰り上げるとしている。
短縮した営業時間は、グループ全体で約1300時間にも及ぶと予想。
人手不足に苦しむ外食産業において従業員の働く環境に配慮するということからの取り組みとされているが、果たしてそれだけの理由であろうか?
昨今、様々な分野でAI導入のニュースを耳にするようになった。
AIは人の感情を持たずに行う「決め事」を遂行するのが得意だ。
飲食業界で例えるなら、
規定の材料を定められた方法で調理する。
登録したテーブルに料理を運ぶ。
食べ終えたテーブルのバッシング(お皿を下げること)と洗い物をする。
などであろうか。
これらは、人間でなくても十分に対応が可能だ。
実際、ファミリーレストランに行くと無表情で機械のように働いている従業員も少なくない。
そこに、人間らしさの介在を感じられないのだ。
それであるならば、その役割が人間である必要はない。
休日も休憩時間もいらない。人間関係の気遣いもいらない。文句も言わない。
無い無い尽くしの機械の方が圧倒的に使いやすい。
飲食業界や運送業界など、人の感情を排除しても成り立つ職業は今後の世の中において淘汰される可能性が非常に高いと多くのメディアが報じている。
それでは、飲食店は全てなくなってしまうのだろうか?
そんなことはない。
必ず残る店は存在する。
では、残る店とそうでない店の違いはなんであろうか?
答えは簡単である。
「また、会いたくなる人」がいる店か
「また、食べたくなる料理」を提供する店であるかどうかだ。
これは、飲食店に限ったことではない。
アパレルであれば、会いたくなる人、着たくなる服だし、
コンサルやカウンセラーであれば、会いたくなる人、話したくなる人だ。
つまりは、サービスする「モノ」自体に付加価値があり、さらにはどの人からそれを買うかという「ヒト」がもっとも重要なポイントとなる時代となったのだ。
大手飲食店サービスのファミリーレストランは、そこを「飲食店」から「自動販売機」に変えるために「ヒト」を減らし、人件費を他の枠へと当てることで時代に対応しようとしているのではないだろうか。
今までの飲食店とは全く違うものへの変革期である。
これからの世の中は、この流れがますます加速するであろう。
機械に変わられる仕事が人のものではなくなり、職を失う人が増加する。
だが、そこに恐れはいらない。
人は人にしかできないことをすればいいのだ。
接客であれば「ヒト」として情に溢れる対応を。
料理であれば「ヒト」の温もりを感じられる食事の提供を。
相談であれば「ヒト」の個性と経験をもとにした生きた回答を。
どの分野においても、人間らしくクリエイティブな視線を持って物事に当たることで、機械に取って代わられることに恐れを抱かず進むことができる。
なぜなら、機械に感情はないからだ。
正確に物事を遂行できる能力は、人間の比になるものではないが、心の揺らぎや、わずかな人の望みや願望を読み取る力が長けているのは生きている生身の人間ならではの力である。
今までの世の中は、上司の言うことを聞いて書類を正確に打ち込める人が重宝された。
だが、それはもう機械にお任せできる時代となった。
「環境配慮という名の削減」の対象とならずに生き残って行くには、機械にはない「個性」と「暖かさ」をどう表現して行くかがクローズアップされる世の中になった。
この時代をどう生きるのか。
今まで生きてきた思考の積み重ねはどこに向いていたのか。
答えが出るのはもうすぐそこである。
2020/1/21(tue)
An impression and the short essay which read Okinawa Times
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